富士フイルム株式会社(社長:古森 重隆)はこのたび、加齢や生活習慣による体内バランスの乱れ・肌トラブルを改善する効果が期待されている注目の抗酸化成分「アスタキサンチン」を、独自に生体内に近い環境において解析し、コエンザイムQ10(*1)の約1000倍の一重項酸素消去能があることを新たに見出しました。
「アスタキサンチン」は自然界が生み出す代表的な天然色素であるカロテノイドの一種です。ニンジンのβ-カロテンやトマトのリコピンなどがカロテノイドとして有名ですが、その中でも「アスタキサンチン」は、ヘマトコッカスなどの藻類に含まれることから「海のカロテノイド」と呼ばれ、非常に強い抗酸化力を持つといわれています。特に、活性酸素のうち悪玉とされる一重項酸素を消去する能力(抗酸化力)が高く、加齢による肌トラブルを改善する効果が期待されており、安全性も高く、最近ではサプリメントや化粧品配合成分として注目されています。
これまで「アスタキサンチン」の一重項酸素を消去する能力は、生体内とは異なる環境で測定され、その値は環境に依存することが報告されていました。しかし、「アスタキサンチン」のような脂溶性の抗酸化物質が人体でどのように働くかを知るには、生体内に近い環境で測定することが必要です。今回、富士フイルムはこれまで培ってきた高度な解析技術を駆使し、「アスタキサンチン」のような脂溶性の抗酸化物質が生体内で存在する場合と類似した環境を作り、各種抗酸化素材の一重項酸素消去能の測定を行いました。この結果、「アスタキサンチン」は、優れた一重項酸素消去能を持ち、その能力はコエンザイムQ10の約1000倍であることを実証いたしました。
さらに、活性酸素消去能力とともに重要な性能である、一重項酸素を繰り返し消去する際の耐久性においても、コエンザイムQ10に比べ「アスタキサンチン」が優れているという比較実験の結果を得ることもできました。
当社は、写真感光材料の開発研究で長年にわたり蓄積してきた多彩なコア技術をベースに、昨年9月にヘルスケア分野への事業参入を行いましたが、参入以前より「アスタキサンチン」の優れた抗酸化力に着目して研究を進めてまいりました。また、すでに「アスタキサンチン」を当社独自の技術でナノ粒子化し、その表面を複数の成分を機能的に組み合わせた膜で包むことで、粒子同士が結合して大きくなるのを防ぎ、浸透しやすい形状を保つことに成功しています。今後は本研究の結果を踏まえ、その実用化を進めてまいります。
富士フイルムは「先進・独自の技術をもって、人々のクォリティ オブ ライフのさらなる向上に寄与していく」企業の理念のもと、当社の総合力を結集して、より高度で高品質な商品・サービスの提供を通じて、お客さまのニーズにおこたえしてまいります。
*1 人の細胞中に存在する補酵素で、細胞を活性化させ人体のエネルギー生産に不可欠な成分。抗酸化作用により、活性酸素を除去する働きもあると考えられ、肌美容への効果も期待されている。
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お客さま
富士フイルム株式会社 ライフサイエンス事業部 営業部 ヘルスケアグループ TEL 03-6271-2264
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企業情報:研究開発 - 研究報告 No.52 2007年
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