2008年06月02日
攻勢続く海運業
海運国日本復活の予感、歴史は繰り返すのか?
しかし、針路は明らかに“総合物流”の方向へ
株式会社 DELTA i.D. 総合研究所
[調査・報告]
[運輸・通信業]
「ISGR業界情報データベース」(http://www.isgr.co.jp)を運営する株式会社DELTA i.D.総合研究所(東京都千代田区、代表取締役社長:中 博)は「ISGR Weekly業界VIEW」において、海運業に関するレポートを公開した。
大手海運3社が躍進している。2007年度の売上はいずれも連結ベースで対前年度比120%前後、2000年度から2007年度の売上を比較すると3社とも売上を倍増させている。2006年度はコンテナ船、不定期船の売上合計において商船三井が日本郵船を抜いて日本のトップに躍り出た。2007年度もわずかながら日本郵船を上回った。中国、東南アジアなどの港湾インフラが急速に整備され「上海〜博多間」を1日で輸送できるスーパーエクスプレスなども登場した。高付加価値の荷物の一部が「船便」に移行するなどの変化が生じてきている。海運業は海外における基幹産業の興隆を原動力に急成長しつつ、新たな課題に向けて針路を変えつつある。物流業界は中国、東南アジアの経済成長を機に国境を越えた「国際物流市場」へと変化している。海外では1社単独ではまだまだガリバー企業と比較すると見劣りするものの大手海運企業は日本の物流業界において中枢にしっかりと腰をおろした感がある。
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低成長時代に大手海運3社が驚異的な増収増益を継続中
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大手海運3社が躍進している。2007年度の売上はいずれも連結ベースで対前年度比120%前後、2000年度から2007年度の売上を比較すると3社とも以下の通り売上を倍増させている。
(※図表1参照 http://www.news2u.net/incidental_dsp.php?id=0&rid=NRR200832223 )
(※図表2参照 http://www.news2u.net/incidental_dsp.php?id=1&rid=NRR200832223 )
また、収益面においても高い結果を出している。とりわけ商船三井の経常利益15.5%、当期純利益9.8%は物流企業の常識を覆すような高収益である。日本郵船は総合物流への基盤づくりの一環としてグループ会社である日本貨物航空の収支改善に注力しながらも一定の水準を保っている。
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海上輸送の業績は商船三井がトップへ…大きな要因はドライバルク船の伸び
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2006年度はコンテナ船、不定期船の売上合計において商船三井が日本郵船を抜いて日本のトップに躍り出た。2007年度もわずかながら日本郵船を上回った。大きな要因としてはドライバルク船(鉄鉱石、石炭、穀物、鋼材、セメントなどのばら積み船)の業績を大きく伸ばしたことが挙げられる。中国、インドなどの内需の拡大の恩恵、鋼材等の高値等に負うところが大きいが輸送と連動し物流サービスの充実を図るなど努力の結果といってもいい。世界規模では原油、LNGにおいてはマースクライン社に及ばないもののドライバルクの売り上げでは最上位クラスにランクされている。
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発展途上国の経済成長を背景に外航海運全体の市場は好調な伸び
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2000年度以前も海運事業者は売上を伸ばしてはいたが物流業種の中でも収益は低かった。 大量輸送が可能であり、荷物の種類のキャパシティは広いという強みがある半面、現代物流に要求されるスピーディな配送には向かない。このため荷主側から見れば安くて重量物を運ぶことができる輸送力のみをメリットと考え、海運業者は縁の下の力持ちとしての役割を担うこととなった。しかしここ数年、中国、東南アジアなどの港湾インフラが急速に整備され「上海〜博多間」を1日で輸送できるスーパーエクスプレスなども登場した。このため自動車、IT関連などこれまで航空便で輸送されていた高付加価値の荷物の一部が「船便」に移行するなどの変化が生じてきている。もちろんBRICs、東南アジア、中東などの経済成長による内需の拡大が外航海運業者の空前の好景気の背景にあることはいうまでもない。
かつて海運業者が貿易において世界を席巻した時代背景には日本の経済成長があった。内需、外需の違いはあるが当時を彷彿とさせる勢いを感じさせる。歴史は繰り返すのだろうか?
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輸送業者から物流業者への方向転換
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海運業は海外における基幹産業の興隆を原動力に急成長しつつ、新たな課題に向けて針路を変えつつある。物流業界は中国、東南アジアの経済成長を機に国境を越えた「国際物流市場」へと変化している。この中で陸・海・空にわたる輸送モードを兼ね備えたインテグレーターが市場争いにおいて優位に立つ、という新局面を迎えDHL、マースクライン社などがその先頭に立っている。
日本の大手海運業者3社もインテグレーターへの脱皮を図るべくグループ内外の企業との連携において陸・海・空の輸送サービス、これに加えてそれぞれのサービスを機能化させるべくロジスティクスの強化を図っている。特に日本郵船は以下のようにグループ内で陸・海・空の輸送サービス機能を備え、さらにグループ外の企業との業務提携によって陸運、フォワーディングの強化を図っている。これまで日本の物流業界においてインテグレーターとして最右翼と目されていた日本通運をしのぐ勢いで物流の「総合力」を伸ばしている。
(※図表3参照 http://www.news2u.net/incidental_dsp.php?id=2&rid=NRR200832223 )
日本郵船の2007年度のロジスティクスの売上は約5,270億円で年商の20%以上を占める。売上規模のイメージとしてはNYKグループ内に日本通運並みの海+空フォワーディング事業部を有しているとも評される。伸び率も年間105〜110%前後と着実に総合物流企業へと変貌しつつある。川崎汽船の2007年度のロジスティクスの売上は約1,310億円で全体の10%近くなっている。グループ内において2006年7月に川崎航空サービスとケイロジスティクスを合併しケイラインロジスティクスを発足、陸・海・空を一体化させたサービスに注力している。商船三井は630億円で意外にも年商比3.2%となっている。ただしグループ外ではあるが近鉄エクスプレスという国内有数のフォワーダーと強い業務提携を行っており総合物流企業に向かって前進している。
このように海外では1社単独ではまだまだガリバー企業と比較すると見劣りするものの大手海運企業は日本の物流業界において中枢にしっかりと腰をおろした感がある。今後もBRICs等の経済成長は継続していくことは確実でここしばらくは海運企業の攻勢が続きそうである。
≪株式会社DELTA i.D.総合研究所について≫
代表取締役社長:中 博
設立:2007年7月
資本金:1億3,030万円
所在地:東京都千代田区永田町2−4−11 フレンドビル7F
株主:ITXグループ、東京中小企業投資育成株式会社 ほか
URL:http://www.delta-id.com
事業内容
・データベース事業(http://www.isgr.co.jp)
・産業全般の総合的調査(日本および、中国を主とするアジア市場)
・分野別受託調査
・コンサルティング
・セミナー、各種研修、書籍発刊等
・「リチウムイオン電池の最新技術動向(http://blog.delta-id.com)」も更新中
<本リリースに対するお問い合わせ先>
株式会社DELTA i.D.総合研究所 担当:ビジネスコンテンツ事業部
TEL:03-3580-3971(代)/FAX:03-3580-3977
E-mail:customer@isgr.co.jp
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