日本イーライリリー株式会社


イーライリリー社、アルツハイマー型認知症治療薬solanezumabの2つの国際共同第III相臨床試験EXPEDITIONの結果を発表



本プレスリリースは、イーライリリー・アンド・カンパニーが8月24日(米国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。内容および解釈について英文オリジナルが優先されます。http://newsroom.lilly.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=702211をご参照ください



米国インディアナ州インディアナポリス - イーライリリー・アンド・カンパニーは、軽度から中等度のアルツハイマー型認知症患者を対象に、二重盲検、プラセボ対照で実施された、solanezumabの2つの第III相臨床試験であるEXPEDITION 1・2試験のいずれにおいても、認知機能および日常生活機能に関する主要評価項目は達成できなかったと、本日(米国時間8月24日)発表しました。しかしながら、事前に規定された副次解析である、両試験の併合データでは、軽度から中等度のアルツハイマー型認知症の全患者群において、統計学的に有意な認知機能低下の進行抑制が示されました。さらに、事前に規定された両試験の併合データでの部分集団解析では、軽度のアルツハイマー型認知症の患者群において統計学的に有意な認知機能低下の進行抑制が示されましたが、中等度患者群では示されませんでした。

solanezumab群において、少なくとも1%以上の発現率で、プラセボ群よりも統計学的に有意に多く見られた有害事象は、嗜眠、発疹、倦怠感(EXPEDITION 1試験)および狭心症(EXPEDITION 2試験)でした。

現在実施中のオープンラベル長期継続投与試験であるEXPEDITION-EXTへの患者登録は既に完了しており、予定通り継続されます。

イーライリリー・アンド・カンパニーの会長・社長兼最高経営責任者(CEO)であるジョン・C・レックライターは、次のように述べています。「今回のsolanezumabの試験では主要評価項目が達成されませんでしたが、認知機能低下の進行抑制を示唆するデータに勇気づけられています。当社としては、これらデータについて規制当局との話し合いを行い、今後の計画についての当局の見解を得たいと考えています。」

同社の科学技術担当エグゼクティブ・バイスプレジデント兼リリー・リサーチ・ラボラトリーズのプレジデントであるヤン・ランドベルグ博士は次のように述べています。「当社は患者さんとご家族のために、アルツハイマー型認知症の原因となる病理に変化を与える治療薬を見出だすことに尽力しています。私たちは、この併合データがアミロイド仮説を裏付けるものであると信じています。今回初めて、抗アミロイドβ薬が認知機能低下の進行抑制を示唆する、第III相臨床試験データが得られました。」

EXPEDITION試験で得られたデータは、「アルツハイマー病共同研究」(Alzheimer’s Disease Cooperative Study, ADCS)にて、独立的な立場で解析されています。ADCSは国立学術研究会でアルツハイマー型認知症の新しい治療薬の発見・開発・試験を促進しています。ADCSは今回の知見を2012年10月8日に米国マサチューセッツ州ボストンで開催される米国神経学会(ANA)、および2012年10月30日にモナコのモンテカルロで開催されるアルツハイマー病臨床試験(CTAD)会議にて発表する予定です。

solanezumabに関する今後の計画は未定で、規制当局との協議の後に決定されます。

EXPEDITION試験の評価項目について
EXPEDITION1試験では、軽度から中等度の全患者群において、2つの認知機能および日常生活機能に関する主要評価項目は達成されませんでした。しかしながら、事前に規定された副次解析では、軽度のアルツハイマー型認知症の患者群において統計学的に有意な認知機能低下の進行抑制が示されました。これらの結果に基づき、イーライリリーは、軽度群における認知機能を単独で主要評価項目として設定するため、EXPEDITION2のデータベース・ロックに先立ち、その統計解析計画書(SAP)を修正しました。この改訂した主要評価項目では、統計学的な有意差は示されませんでした。これらのEXPEDITION試験実施計画書のいずれにおいても、軽度のアルツハイマー型認知症は、ベースラインのミニメンタルステート試験(Mini-Mental Status Examination, MMSE)スコアは20-26、中等度のアルツハイマー型認知症は、ベースラインのMMSEスコアは16-19と定義されています。

solanezumabとEXPEDITION試験について
solanezumabはモノクローナル抗体であり、アルツハイマー型認知症の治療薬候補として試験が行われています。

これら2つの二重盲検、プラセボ対照の第III相臨床試験である、solanezumabのEXPEDITION臨床試験は、世界16か国で、軽度から中等度のアルツハイマー型認知症の患者2,050名以上が参加しました。試験期間は18カ月でした。

アルツハイマー型認知症について
アルツハイマー型認知症は認知症の最も頻度の高い形態であり、記憶など認知機能の低下を引き起こします(1)(2)。アルツハイマー型認知症の原因は不明で、この深刻な疾患の進行抑制を示す既承認の治療薬は現在のところなく、特定の症状を軽減する治療選択肢に限られています(1)(2)(3)。国際アルツハイマー病協会(ADI)によると、現在の世界の認知症患者数は推定3,560万人で、毎年の新規患者数は770万にのぼります(これは、4秒ごとに1人発生しているということです)(4)。患者数は2050年までに1億1,500万人に達すると推測されています(4)。様々な推定がありますが、米国におけるアルツハイマー型認知症患者数は540万人にも達するという専門家の見解があります(2)。

イーライリリー・アンド・カンパニーについて
イーライリリー・アンド・カンパニーは、米国インディアナ州インディアナポリスに本社を置く、革新を追求する医薬品のリーディング・カンパニーです。世界各国の自社研究施設や外部の優れた科学的研究機関との提携による最新の研究成果を用いて、各治療領域で豊富なポートフォリオの医薬品を開発しています。詳細はホームページでご覧ください。http://www.lilly.com

このプレスリリースには、solanezumabに関する将来予想に関する記述が含まれています。 イーライリリー・アンド・カンパニーの現時点での見解が含まれていますが、あらゆる医薬品の場合と同様に、開発および商業化の過程には大きなリスクと不確実性が伴います。将来の試験結果や患者における結果が現時点での知見と一致すること、または、solanezumabが規制当局から製品としての承認を取得できる、あるいは商業的に成功をおさめるという保証はありません。これらおよびその他のリスクと不確実性に関する詳細な見解については、イーライリリー・アンド・カンパニーが米国証券取引委員会に提出した届け出書をご参照ください。イーライリリー社は将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。
(1) National Institute of Neurological Disorders and Stroke. “Dementia: Hope Through Research.” Available at: http://www.ninds.nih.gov/disorders/dementias/detail_dementia.htm#1908919213. Accessed on August 13, 2012.
(2) Alzheimer’s Association. “2012 Alzheimer’s Disease Facts and Figures.” Available at: http://www.alz.org/downloads/facts_figures_2012.pdf. Accessed on August 13, 2012.
(3) Perrin, R., et al. “Multimodal techniques for diagnosis and prognosis of Alzheimer’s disease.” Nature 2009 (461); 916-922.
(4) Alzheimer’s Disease International. “Dementia Statistics.” Available at: http://www.alz.co.uk/research/statistics. Accessed on August 13, 2012.

注: 日本もEXPEDITION 1試験およびEXPEDITION 2試験に参加しています。

関連URL:https://www.lilly.co.jp/

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