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「金相場と株式相場とは常に逆相関という説明は正しくない」【ドットコモディティ】



(11/19更新)
少なくとも年内は米国の量的緩和政策が継続する公算が強いとの見方が広がっていることで、過剰流動性資本はリクイディティが高くパフォーマンスも高い株式市場へと集中している。この影響で、金市場などコモディティからは資金が流出する状況が鮮明となっている。

最も顕著であるのが金ETF市場。11月18日現在のNY証券取引所 金ETF 「SPDRゴールドシェア」の保有残高は864.51トン。今からほぼ1年前の2012年12月上旬の時点では1353.35トンの最高記録となっていたのが、その水準から488トン強の減少。マイナス率は36%である。金ETFは投資信託のカテゴリーだが現物を背景としているため金を在庫化しているのが特徴。

裏返せば、NY証券取引所が保有していた500トン近く金地金がこの1年間で消失したことを意味する。世界最大の金需要国であるインドの年間金需要量の半分強を占める。余談だが、今年の世界の金需要国のトップは中国がインドを抜いて世界最大となる見通しである。しかも最大で1000トンの大台を超えるのではないかとの見方も出ている。この今年の中国の需要との比較でも金ETFの減少量は極めて大きい。

これまで述べたとおり、株式市場への投資資金集中化と、されに相反する金市場からの資金流出、この構図が続く限り、今後も株高・金安の逆相関は継続するのではないかとの見方が否定できない。

ただし、過去の歴史において、株式と金との相関関係は、その時代・時代で微妙に変化するため、一概に断定できない。一般的に、金と株価は逆相関といわれているし、さまざまな金融サイトでもそのような説明で記述されている。しかも、足元の相場状況においても確かに逆相関で推移している。

ただし、注意しなくてはならないのは、その構図が常態化しているわけではないということである。実際、1990年以降今までのNY金とNYダウとの相関は0.4の正の相関であり、この数値の相関、「弱い正の相関」と判断するか、「無関係」とも判断できる。しかし逆に、2008年の金融危機以降の2009年から2011年までの3年間は、極めて高い正の相関が形成されていたのである。

とどのつまり、今は確かに投資資金は株式に向かっており、その反対の動きが金相場の下落につながっているのは明らかだが、その流れがこれからも続くとは断定できず、またいつかなにかの拍子で投資資金の動きが逆流する可能性もあるといえる。

・トーキョートレーダーズタイムズ代表取締役 小針秀夫
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