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『週刊ダイヤモンド』12/21号(12/16売)の特集は『東京電力 救済で笑うのは誰か』



株式会社ダイヤモンド社より毎週月曜日に発売されている、経済・金融・企業情報をタイムリーに伝えるビジネス誌、『週刊ダイヤモンド』。
12月16日に発売される12/21号の特集は『東京電力 救済で笑うのは誰か』。特集の読みどころは下記のとおり。その他、ビジネス、経済に関する最新の記事も満載です!


──CONTENTS─────────────────
■特集
東京電力
救済で笑うのは誰か

Part 1 フクシマに漂う諦め
Part 2 東京電力が上げる“復活”の狼煙 
Part 3 電力“下克上”時代の到来 


──「東京電力 救済で笑うのは誰か」特集の読みどころ───

■汚染水が引き金を引いた
■東京電力“救済劇”の全貌


福島第一原子力発電所の事故からまもなく3年。復興から取り残された形の福島では、「もう戻るのはあきらめた」との声が多く聞かれる。だが、事故を起こした当の東京電力は、さまざまな思惑のなかで“救済”されようとしているばかりか、“復活”まで虎視眈々と狙っている。「復興の加速」という美辞麗句の影でーー。


 2013年9月6日、ロシア・サンクトペテルブルクを出発し、アルゼンチン・ブエノスアイレスへ向かう政府専用機、ボーイング747の機体前方の秘書官席では言い知れぬ緊張が漂っていた。
 わずか30時間後に、20年五輪招致の総会を控え、安倍晋三首相以下、官邸スタッフの元には現地から「福島第1原子力発電所の汚染水問題がネックとなり、苦戦」との情報が伝えられていた。また日本では、東京電力の下河邉和彦会長が「五輪で負ければ辞める」と周囲に漏らしていた。
「汚染水には触れざるを得ない」
 官邸スタッフは、総会で首相が行うスピーチ原稿を書き直し、首相も機内で演説の練習を続けた。ギリギリの路線変更だった。
 こうして、東京五輪招致の決め手になった「汚染水アンダー・コントロール」の演説は生まれた。
 汚染水対策がおぼつかないこともあって、後の国会審議で、この「アンダー・コントロール」が厳しい追及を受けることになるのだが、一躍 “国際公約”となったことで、福島第1原発事故の果てしなく厳しい現実が耳目を集めることになり、国も本格的に対応せざるを得なくなった。
「福島の問題は国が責任を持たないと、前進しない」。首相のスピーチからさかのぼること2週間前。自民党内でも福島をめぐる議論がスタートしていた。
 東京・永田町の自民党本部5階にある東日本大震災復興加速化本部に、大島理森本部長が復興庁幹部と共に、経済産業省や財務省、そして環境省の局長クラスを次々と呼び、「勉強会」を開いた。
「震災3年を迎える前に福島に向き合わないといけない」として、難題山積みの福島に関する復興提言をまとめるべく、関係省庁の調整に乗り出したのだ。

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■除染費用の国負担で
■経産VS財務がバトル
■負担はすべて国民に

 この動きは東電と、所管官庁である経産省にとって、渡りに船だった。東電は総額10兆円規模の賠償や廃炉、除染費用が重くのしかかり、当初の再建計画が破綻しかけていた。昨年11月には社外取締役総出で国に支援を求めたが、政権交代前夜だったこともあり、たなざらしになっていたのだ。
 自民党の動きを察知した経産省は素早く動く。上田隆之・資源エネルギー庁長官が早速、原発の現状を説明に訪れたと思えば、経産省から東電に送り込まれた嶋田隆執行役も、「除染費用は5兆円以上」と書かれた分厚い資料を持って関係各所に支援要請に回った。
 勉強会では「廃炉と賠償は東電の責任でやるが、除染費用は復興の一部だ」として除染の全額国費負担を訴えた。同本部で委員長を務める額賀福志郎元財務相も経産省・東電に同調した。
 この動きに待ったをかけたのが財務省だった。除染を所管する環境省と共に「除染は汚染者負担」と猛反対。財政規律を重んじる財務省は、汚染水対策として9月に470億円の国費が投入されたことも我慢ならなかった。
 衝突がピークを迎えたのは11月初旬。上田エネ庁長官と、財務省の福田淳一主計局次長が、加速化本部で向かい合っていた。除染の費用を国と東電がどう分担するかの記述をめぐり、「机の下で蹴り合うバトル」(関係者)を繰り広げていたのだ。結局折り合いがつかず、大島氏が引き取った。
 こうしてまとめられた与党提言には、東電の廃炉・汚染水部門の分社化、そして除染の一部国費負担が盛り込まれた。大島氏は「東電救済ではない」と話すが、東電にとっては何よりも欲しかった“救いの手”だった。


 だが、国への支援要請で歩調を合わせた東電と経産省も、内実は“同床異夢”だ。国費投入と引き換えに東電に改革を迫る構えの経産省に対し、東電側は「国の資金援助さえあれば改革はいらない」との姿勢が色濃いからだ。
 11月下旬を迎え、東電幹部は連日早朝から経営会議を開いて新たな再建計画「総合特別事業計画(総特)」を策定している。希望退職者約1000人の募集といったリストラとともに、持ち株会社化、海外展開などの成長戦略、そして柏崎刈羽原発の再稼働などが柱となる見通しだが、その中身をめぐって両者は激しくぶつかり合う。
 東電につぶれてもらっては困るのは、金融機関も同様だ。本稿執筆の10日時点では、総特の素案提示を受け、融資の詳細な条件を詰めているが、原発事故後、東電に2兆円の緊急融資を実施してからというものの、東電経営への関与の度合いを深めている。融資を焦げつけさせるわけにはいかず、新たな融資には慎重だ。
 しかし経産省は、そうした姿勢の金融機関を牽制する。
「国が国費を負担し、東電は新しい事業計画の下で賠償費捻出のために必死で成長するのだから、銀行も東電の将来のために融資すべきだ」(経産省幹部)
 こうした経産省のバックアップを受け、東電は総特に2兆円の新規融資を書き込む方向だ。
 福島第1原発の事故は規模もさることながら、かかる費用も巨大過ぎるため、東電をつぶすことはできない。まさに「Too Big to Fail」。その点では政府、与党、金融機関、そして電力業界の認識は一致しているが、その思惑はばらばらだ。
 政府は、汚染水の収束や福島の復興遅れが「東電任せ」だったことに原因を求め、「前面に出る」という姿勢をそれこそ前面に打ち出し、目下、与党提言を受けた具体策を次々と固めている。
 だが、主体が東電であろうが、国であろうが、忘れてはならないのは最終的にはすべて国民負担となることだ。東電であれば後述する賠償スキームを通じて電気料金に転嫁されるし、国であれば税金となって重くのしかかる。しかも、かかる費用を鑑みれば、決して小さな金額ではない。
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『週刊ダイヤモンド』12月21日号の特集は、「東京電力~救済で笑うのは誰か」。
 福島第一原子力発電所の事故からまもなく3年を迎えるに当たり、これまで復興から取り残されてきた福島の復興加速策が急ピッチで詰められています。
 そのなかで、事故を起こした東電が、なぜか“救済”されようとしています。背後には、国や金融機関、そして電力業界など、さまざまなプレーヤーたちの思惑があるようです。
 そこで特集では、なかなか進まない除染や賠償、廃炉の現状と今後を詳しく解説すると共に、東電救済の裏で繰り広げられている魑魅魍魎たちの壮絶バトルを余すところなくお伝えします。
 併せて、福島復興に伴って引き上げられることが必至の電気料金が将来、にいくらくらいになりそうなのか、シミュレーションしてみました。
 東電が“救済”され、国もメンツを維持し、金融機関も守られ、国民だけが泣く。今のまま議論が進めば、そんな事態が遠からずやってきそうです。
 
(『週刊ダイヤモンド』副編集長 田島靖久)

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●『週刊ダイヤモンド』12/21号(雑誌コード:20243-12/21)
●定価 690円(税込)
●2013年12月16日発売


【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社ダイヤモンド社営業局営業部(担当:岩佐、大曽根)
TEL:03-5778-7241 FAX:03-5778-6619 
E-mail: osone@diamond.co.jp

関連URL:http://www.diamond.co.jp/magazine/20243122113.html

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