2006年08月09日 13時00分

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構造計画研究所 津波避難シミュレータを三重県で共同開発

津波避難シミュレータ実行画面

株式会社構造計画研究所

〜住民・職員自らが空間情報を作成することによって大幅なコストダウンを実現〜

株式会社 構造計画研究所(本社:東京都中野区、資本金10億1,020万円、代表取締役:服部正太、以下:構造計画研究所)は、三重県と三重大学(災害対策プロジェクト室)を中心とする研究プロジェクト(参加企業:中部日本電気ソフトウェア(株)、(株)インフォマティクス、(有)ジオワーク)に参加し、津波対策用の避難シミュレータを共同開発いたしました。
本システムでは、各避難者が状況判断を行って自律行動させるマルチ・エージェント・シミュレータ『KK-MAS』(自社開発)を採用しているため、健常者だけではなく、高齢者の方や車椅子利用者の方など、いわゆる「災害時用援護者」をモデル化してシミュレーションすることができます。
空間情報は、住民や職員が自由に入力する方法を採用。この方法によって、これまで空間情報の整備に必要だった数千万円単位の経費を大幅に削減できるだけでなく、その地域に住んでいないと分からない情報(山道、障害物の有無など)を反映させることができます。

●三重県における津波被害予測と対策
三重県から公表された「三重県地域防災計画被害想定調査報告書」(平成17年3月)によりますと、東海・東南海・南海地震が同時に発生した時の津波による被害者数は住民の防災意識が低い場合に最悪6000人以上になるとされております。しかし、同じ条件であっても住民の防災意識を高い場合には、その被害者数が1/3以下まで減るとの予測結果が出ております。こうした被害想定結果から、三重県における津波被害の甚大さと共に、防災意識の高さに対する重要性が明らかとなりました。
三重県における津波の人的被害を減らすためには、防波堤などのハード対策だけではなく、避難計画を綿密に立てて、住民の早期避難に対する意識を高めるようなソフト対策が重要であると言えます。

●避難シミュレータの使用目的
避難シミュレータの使用目的は主に2つあります。
1つ目は、避難計画の安全性を検証することです。各地区の避難時間算出、避難困難地域の把握、災害時要援護者対策の検討、臨時避難施設の検討など、様々な検証が行えるように開発いたしました。
2つ目として、住民の防災意識を高めるという目的があります。津波の襲来状況と避難する人々の過程をアニメーションとして提示することにより、実際の津波に際して、住民が、「どう避難すべきか」、「早期に避難すれば安全性が高まる」ということが、わかりやすく示すことができます。

●マルチ・エージェント・シミュレータ『KK-MAS』の採用
 本シミュレータのプラットフォームには、マルチ・エージェント・シミュレータ『KK-MAS』(自社開発)を採用しております。各避難者が状況判断を行って自律行動させることができるため、空間情報を設定するだけで即座にシミュレーションを実行することができます。
また、避難者の行動ルールや属性(歩行速度・歩行障害の有無など)を細かく設定できる他、各人が利用した避難経路や避難に要した時間などを細かくトレースすることができます。
今回のシミュレーションでは、高齢者の方や車椅子利用者の方など、いわゆる「災害時用援護者」のモデル化も行っており、「階段などの段差が避難の際にどのような影響を及ぼすか?」「健常者が救助をすることによって、安全性が確保されるか?」など様々な検証が可能となっております。

●職員・住民 自らが空間情報を入力する利点
 広域の避難シミュレーションを行う際に問題となるのが、各地区の道路・住宅・住民属性といった空間情報の整備です。このデータ整備だけで数千万円単位の経費がかかってしまう場合もあります。こうした問題を解決するために、本プロジェクトでは空間情報を市役所の職員もしくは住民が入力できる仕組みとしました。
経路情報入力ソフト『ルートビルダー』(開発元:中部日本電気ソフトウェア・共同開発元:日本電気(株)ITS事業推進センター)を用いて、各地区の避難経路情報(位置・道路幅員・段差の有無など)・避難所の位置を入力し、KK-MASで各地区の住民の数、災害時用援護者の割合、避難開始時間を設定するといった流れでシミュレーションを実行します。
このように、各地区で空間情報を作成させることにより、地図に載っていない山道、段差の有無などの住宅地図データでは分からない情報を反映することができます。また、住民とのワークショップなどで、「ある道が封鎖された場合」「ある建物を避難ビルに指定した場合」など、様々な状況を自由に設定し、すぐにシミュレーションを実行して検証ができるという利点があります。

●現状と今後の展開
現在、三重県志摩市において避難シミュレーションの利用が進められております。
志摩市は、防災意識の低い場合には被害者数が550人、高い場合には17人と、防災意識の高さが被害に最も影響を及ぼす地域とされております(平成17年3月 三重県地域防災計画被害想定調査報告書より)。こうした背景からも、避難シミュレーションを防災意識の向上と避難計画の見直しに活用するための活動が行われております。
今後はこうした利用を三重県全域まで広めていき、津波被害が大きいと予測される他の都道府県においても普及を目指していきます。

■マルチ・エージェント・シミュレータ KK-MAS
「KK-MAS」は、個々のエージェント(行動主体)が自らの意思決定ルールに基づいて行動し、そのエージェント同士の相互作用が連鎖することにより系全体の振舞いが変化し、また全体の振る舞いから個々のエージェントの行動に影響を与えるという複雑系とマルチ・エージェントのアプローチに基づいた社会シミュレータです。2000年3月のリリースからユーザフレンドリーなマルチ・エージェント・シミュレータとして社会科学系の研究者をメイン・ターゲットに、185の大学研究機関でご利用いただいております。(http://www.kke.co.jp/mas/

<本件に関するお問い合わせ先>
■記事中に読者からの問合せ先を掲載される際には、下記をお願いします。
 株式会社構造計画研究所
 〒164-0012 東京都中野区本町4-38-13
 企画営業部 吉松 慶
 TEL:03-5342-1006/FAX:03-5342-1222/e-mail:kikaku@kke.co.jp

■本リリースに関する報道関係からのお問い合わせは、下記にお願いします。
 株式会社構造計画研究所
 〒164-0012 東京都中野区本町4-38-13
 営業戦略部 広報担当 佐藤 仁宣/松本 飛鳥
 TEL:03-5342-1032/FAX:03-5342-1222/e-mail:kkeinfo@kke.co.jp


■構造計画研究所について
1959年設立。現在ネットワーク、マルチメディア、情報通信、移動体通信分野から建設、製造分野に至るまでの広範かつ最新のIT技術を駆使したソフトウェア開発ならびにソフトウェアプロダクトを提供。さらにOR・シミュレーション手法を用いた工学・製造分野におけるコンサルティングサービスやマーケティング分野におけるコンサルティングサービスも行っています。また建設・環境分野における数値解析コンサルティングサービスや建築・構造設計分野でも強みを発揮しており、様々な業界に対し、多様なソリューションを提供しております。

※構造計画研究所および、構造計画研究所のロゴは、株式会社構造計画研究所の登録商標です。

関連URL:http://www.kke.co.jp

  • 津波避難シミュレータ実行画面

    津波避難シミュレータ実行画面

キーワード 津波, 避難, 三重県, 防災, シミュレーション, マルチエージェント, 地震, 災害時要援護者, 洪水, 台風
カテゴリ 技術・開発
業種 サービス業

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