福岡工業大学


スマートフォンのみによる血圧測定システムを開発
 福岡工業大学 准教授 山越健弘



スマートフォンの光に指をかざして血圧計測中

スマートフォンの光に指をかざして血圧計測中

福岡工業大学(福岡市東区)情報工学部情報システム工学科の山越健弘准教授らは、スマートフォンのみを利用した血圧測定のシステムを開発しました。健康管理や臨床の場において血圧測定は欠かせない要素ですが、帯(カフ)を腕に巻いて圧迫しながら計測する従来の方法は、専用機材が必要であり、頻繁な計測や外出先での使用には不向きです。

今回、山越研究室はスマートフォンの発光ダイオード(LED)光に指をかざすだけで血圧を推定するシステムを開発。その精度検証をおこなった研究論文が、このほど英科学誌Natureの姉妹紙であるScientific Reports(電子版)に掲載されました。

Scientific Reports(電子版)
論文タイトル:Cuffless blood pressure estimation using only a smartphone
掲載URL : https://www.nature.com/articles/s41598-018-25681-5

■概要
従来の血圧計測は、上腕などにカフを巻き付けて圧迫しながら計測する方法が主流です。
この方法は120年以上変わっておらず、カフなし(カフレス)での血圧推定の研究もこれまでに国内外でなされて来ましたが、なかなか成功していません。また現在、パルス・トランジット・タイム(PTT:心電図と容積脈波記録から血圧を推定する)という手法が脚光を浴びていますが、機材が必要であることや手技の煩雑さから、簡便であるとは言い難いものです。

今回開発したシステムは、スマートフォンにアプリをダウンロードし、スマートフォンのカメラから出る光(LED)に指をかざして、指先の末梢血管から導き出される脈拍数(≒心拍数)と末梢血管の収縮度の計測値を元に、血圧を算定するものです。今回は14人の成人被験者に対して、従来のカフを用いた計測値との相関関係との誤差を検証したところ、相関係数(1に近いほど相関性が高い)が0.7以上という強い相関性と誤差の低さが認められるなど、値の正確さ、簡便さ共にPTTに比べて優位な結果となりました。
少子高齢化が加速するこの時代、個々人によるパーソナル・ヘルスケアとIT技術との結びつきが予想される中、革新的な本技術が広く社会に浸透することを、強く願っています。

■本件のポイント
・スマートフォンさえあれば、いつでもどこでも手軽に血圧を測定できます。
・カフによる圧迫の痛みや不快感、準備の煩雑さがないので、血圧計測が習慣化しやすくなり、日々の健康管理に役立ちます。

■今後の活用について
山越研究室では、スマートフォンのみでストレスや血管の硬化度を計測するシステムの開発も進めており、これらを組み合わせた用途の実用化などを検討しています。


■関連リンク
福岡工業大学 山越研究室ホームページ
http://www.fit.ac.jp/~yamakoshi/


■本リリースに関するお問合せ先
福岡工業大学  広報課 
〒811-0295 福岡市東区和白東3-30-1
TEL: 092-606-0607   e-mail : kouhou@fit.ac.jp


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