サイモン・クチャーアンドパートナーズジャパン株式会社


ブラックフライデー・サイバーマンデー 2019:成功するディスカウント戦略とは?



サイモン・クチャーアンドパートナーズが行ったグローバル調査によると、ブラックフライデーとサイバーマンデーの認知度は国ごとにかなり差があることが分かった。
この2日間は、欧米では一大ショッピングイベントとして認知されているが、日本ではその限りではない。特売セールが行われるため、消費者にとっては嬉しいイベントだが、一方、小売業者は巧妙なディスカウント戦略を立て、損失を回避する必要がある。

ブラックフライデーとサイバーマンデーの認知度

ブラックフライデーとサイバーマンデーの認知度

2019年11月22日 – 戦略・マーケティング分野の国際的なコンサルティングファームであるサイモン・クチャーアンドパートナーズが今年実施した調査によると、ブラックフライデー、サイバーマンデーについて聞いたことがあると回答した日本国内の回答者はそれぞれ54%、25%であり、他の調査対象国と比較すると非常に低い水準であった。

ブラックフライデーは、感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日にあたる金曜日の非公式の名称で、欧米では多くの小売店が特別セールを行っている。日本では2016年ごろからキャンペーンを行う小売店が増えてきており、イオン、コストコ、GAP、トイザらスなどが実施している。一方、サイバーマンデーはインターネット版のブラックフライデーで、海外では多くのオンライン小売業者がブラックフライデーに続く月曜日にサイバーマンデーを開催している。日本では、アマゾンジャパンが12月の第2月曜日をサイバーマンデーとし、独自の特売セールスを行っている。ちなみに、同社は日本記念日協会にサイバーマンデーを申請し、正式な認定を受けている(諸外国と日にちが異なるのは、日本の多くの企業でボーナスが支給される12月第2週に合わせたためである)。

多くの欧米諸国ではブラックフライデーやサイバーマンデーで商品を購入する意欲も高い。例えば、ドイツでは調査参加者の3分の2が何らかを購入する予定だと回答した。また、イタリア、スペイン、オランダ、トルコ、米国では、回答者の約80%が、それらのイベントで買い物をする予定だと回答している。一方、日本では認知度の低さのためか、購入に意欲を示している回答者は調査の対象とした14カ国のうち最も低く、約17%にすぎない。

●消費者がブラックフライデー・サイバーマンデーにつぎ込む予算

消費者の予算感に関しても国ごとに異なっている。例えば、日本の消費者は、ブラックフライデーとサイバーマンデーで29,300円を使う予定だと回答した。この金額は、調査対象国の中では平均的な金額であった。米国の消費者の平均予算は27,100円、イタリアでは若干低く(平均25,200円)、シンガポールではさらに低く、20,300円が平均予算であった。一方、デンマーク(34,600円)やUAE(82,300円)では消費者の予算が諸外国よりも高くなっている。
(注)金額は調査を実施した2019年10月28日から11月1日までの平均為替レート(1ユーロ: 120.9円、1ドル: 108.1円、1シンガポールドル: 79.6円、1AED: 29.4円)にて換算

製品カテゴリ別に見てみると、多くの国で電子機器製品の支払意思額が最も高かったが、これは他の製品カテゴリに比べて製品価格自体が高いためだと思われる。翻って、日本では、装飾品に対する支払意思額が最も高く、回答者の平均支払意思額は48,000円であった。これは、異性に高価な指輪や時計などをプレゼントし合う、日本独自のクリスマス文化(商慣習)のためであることが推察される。

●小売業者はディスカウント戦略の差別化が必要不可欠

“小売業者は、年間を通してディスカウント戦略を構築する際、各ショッピングイベントに対する消費者の認知度をあらかじめ把握しておくべきである”とサイモン・クチャー日本オフィス 代表取締役社長 山城和人は指摘する。

ブラックフライデーやサイバーマンデーが定着している米国やドイツなどでは、消費者の購入意思が高く、また、どの製品を購入したいかを特売セール前に明確に決めている。その理由の1つは、クリスマスが近づいているためだ。例えば、スペインでは、回答者の約3分の1がクリスマスのためにブラックフライデーで商品を購入する予定だと回答している。これは小売業者にとって非常に重要な示唆である。“ブラックフライデーとサイバーマンデーによって追加の利益が発生しているのではなく、消費者は購入を前倒ししているに過ぎない”と山城は説明する。この課題に対処するため、小売業者は様々な対策を立てなければならない。“年間を通した収益性が損なわれないよう、商品カテゴリ毎にディスカウント戦略を差別化すべきだ”と山城は付け加える。

“例えば、ドイツでは、消費者のほぼ半数が電子機器製品を購入する前にどれを購入するかを決めているが、ファッション関連を購入する際はそうではない。’ウィンタージャケット’といったように、どのような商品カテゴリを購入するかはある程度決まっているものの、どのブランド・デザインにするかはまだ決めかねている。従って、小売業者はどの商品カテゴリに対してどの程度のディスカウント率を設定するのか、どの商品をプロモーションするのかを早い段階で検討する必要がある”と本調査の責任者フリデリーケ・フォン・ヴィッセルは説明する。 “「全品30%ディスカウント」などの定額ディスカウントは避けた方が良い。代わりに、特定の商品や様々なイベントをターゲットとしたキャンペーンを企画することで、年間を通じた収益性の向上が見込まれる。適切な価格コミュニケーションも非常に重要な要素の一つだ”とフォン・ヴィッセルは指摘する。

日本では、ブラックフライデー・サイバーマンデーに関する認知度や商品購入意欲は欧米諸国と比較すると現時点ではそれほど高くない。しかし、ブラックフライデーを開催する小売業者が年々増えており、将来的にはブラックフライデー・サイバーマンデーが日本にも浸透することが容易に予想される。その時に備え、日本国内の小売業者は海外の事例も参考にしながら、年末商戦のディスカウント戦略を今のうちに練っておく必要がある。


調査について: 世界14か国**、約12,000人にブラックフライデー・サイバーマンデーに関するオンライン調査を2019年10月~11月に実施。 日本人の有効回答者は約1,700人。
**デンマーク、ドイツ、イタリア、日本、シンガポール、スペイン、スウェーデン、トルコ、ラテンアメリカ(メキシコ、アルゼンチン、チリ)、オランダ、UAE、米国

サイモン・クチャーアンドパートナーズ: 戦略・マーケティングに特化したコンサルティングファーム
サイモン・クチャーアンドパートナーズは、クライアントの収益および利益成長 (TopLine Power®)に特化したグローバルなコンサルティングファームであり、39のオフィスに1,400名以上のコンサルタントを有する。1985年に設立されて以来、35年以上に渡って戦略・マーケティング・プライシング・セールスの4分野におけるコンサルティングサービスを提供しており、特にプライシングにおいては世界中でリーディング・ファームとしての評価を得ている。

【本件に関するお問い合わせ先】
コンサルタント 梶川 武蔵
Mail: Musashi.Kajikawa@simon-kucher.com

関連URL:https://www.simon-kucher.com/ja


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