2008年09月29日 09時00分

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蜷川幸雄舞台最新作『道元の冒険』がWOWOWにHVで登場!

道元の冒険

株式会社WOWOW

7月から8月にかけて東京・大阪で公演が行われた話題の舞台『道元の冒険』がWOWOWに登場する。現代日本を代表する演出家・蜷川幸雄が新解釈で大胆に脚色した同作。キャストに阿部寛、栗山千明、北村有起哉らの実力派を揃え、最高のキャストとスタッフを迎えた。

現代に生きる我々の中で、道元という存在を身近に感じている方は、少数に属するのではないだろうか。あえてそういう題材を選んだところに、蜷川の挑戦をまず感じ取ることができる。この日本曹洞宗の開祖である道元という男は、西暦1200年に京都で産声を上げた。そして、1231年、『正法眼蔵』という仏教史上でも有数の思想書を完成させ、座禅に打ち込むことこそが、仏教の真理に到達する方法だと説く。その簡潔で明快な教えは、慢性的な飢饉に悩まされていた当時の民衆の心をとらえたという。

『道元の冒険』で、この道元を演じるのが、阿部寛だ。芝居は鎌倉時代中期の寛元元年、道元が開いた宝林寺で、開山七周年記念として弟子たちによる余興「道元禅師半生記」が上演されようとしている場面からはじまる。気がかりなことに、道元は突然眠り込んでしまう奇病に侵されていた。しかも見るのは毎回同じ夢。それは、自らが怪しげな新興宗教の開祖となり、婦女暴行の容疑で警察につかまっている、という内容であった――。

こうして、鎌倉時代と現代を行き来する、壮大な物語が幕を開ける。初期の井上作品に魅せられた理由として、蜷川は「あばれ馬のような」激しさを挙げる。その言葉通り、とにかく圧倒される量のセリフが、怒涛のごとく渦巻いて観客に浴びせられる。過剰なまでのエネルギーが、言葉遊びや歌となって、波のように押し寄せてくる迫力はすごい。舞台音楽を担当した伊藤ヨタロウ氏の不思議なメロディーに乗せられ、謎だらけの歌詞が、観客の体にシャワーのように降りそそぐ。この舞台は、頭ではなく体で理解するのだ、というか、そうでないとついていけない。でも、なぜか気持ちがいい――そんな思いが、徐々に観客の中に生まれる。

キャストたちは、10人で50以上の役柄を演じ分ける。舞台袖で早着替えをし、息を切らせて登場する姿が笑いを誘う。体力の限界に挑戦している姿が、観客の心を揺さぶる。

笑える場面とシリアスな場面に、メリハリが効いているのもいい。カベに習字をしたり、目玉で卓球をしてみたり、エキセントリックだが惹きつけられる面白い場面があるからこそ、シリアスな場面でも集中することができる。

ラストシーンでは、あっと驚く演出が待っている。演出家・蜷川幸雄が、現代の息苦しい状態を視覚化した見事な場面なので是非、番組でご覧いただきたい。

『道元の冒険』はWOWOWで10月3日(金)午後10:20〜にHV放送される。

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