ベック株式会社


田邉康雄のリスクマネジメントリポートNo.2 
ISO31000(リスクマネジメント国際規格)
ISO31000の活用法(1)―― このISOマネジメントを自己宣言しよう!



前回5月24日アップの田邉康雄さんのリスクマネジメントリポートは、多くの方々からご好評頂き、ありがとうございました。今回はNO.2として公開させていただきました。
ISO31000は「システム」ではなくて「リスクアセスメント」に重点が置かれており、システム志向の審査登録機関の手に負えるものではないという専門家が多い中、当然のことながら企業ではリスクアセスメントの能力を有し、ISO31000の自己宣言を指導できる人材を求めているようです。そんな企業ご担当者にお読みいただきたい「田邉康雄リスクマネジメントリポートNo.2」をご紹介いたします!!

田邉康雄のリスクマネジメントリポートNo.2 
http://www.tanabe-consul.jp

ISO31000(リスクマネジメント国際規格)
ISO31000の活用法(1)
「このISOマネジメントを自己宣言しよう!!」

<筆者プロフィール>
リスクマネジメント協会正会員(PRM)田邉康雄
英国IRCA契約OHSAS18001審査員養成トレーニングコース認定審査員
英国IRCA登録ISO9001/14001/OHSAS18001 Lead Auditor
米国/オーストラリア/ニュージランドRABQSA登録OHSAS18001 Lead Auditor
APECエンジニア、技術士(化)、中小企業診断士、労働安全コンサルタント、環境カウンセラー(事業)、通訳案内士
有限会社田辺コンサルタント・グループ社長
http://www.tanabe-consul.jp/iso/index.html
会社事業:技術者研修、生涯現役エンジニア塾、リスクマネジメントコンサルティング、安全コンサルティング、ISOコンサルティング
URL:http://www.tanabe-consul.jp

★☆★☆★☆
ISO31000は、「規格」(International Standard)と銘打っているが、リスクマネジメントに関する「指針」である。そのうちに「要求事項」に昇格されるかもしれない。枠組みは、いわゆるマネジメントシステムだ。しかしシステムという言葉は使用されていない。
だからという訳でもないが、この規格は「システム審査」には適していない。システム審査指向の「審査登録」には向いていないのだ。しかし「自己宣言」には向いている。
確かに指針ISO31000の中で、「システム」という言葉は一切使用されていない。ISO9001、ISO14001、ISO22000、ISO27001が、それぞれ品質、環境、食品安全、情報セキュリティのマネジメント「システム」と呼称されていることと対照的である。

―― ここで「環境ISO」のISO14001が発行された契機を思い起こそう。米国化学会社ユニオンカーバイトコーポレーションは、ボパール(インド)の工場においてメチルイソシアネ―ト(猛毒ガス)の漏洩事故を起こした。これによりおよそ1万人の周辺住民が被災した。
補償金の重みに耐えかねて会社経営が立ち行かなくなった。その結果、ダウケミカルに吸収合併されてユニオンカーバイトの社名は消えた。
その時同時に引用された事故例があった。アラスカ沖におけるエクソンのタンカー、バルティーズの座礁による原油漏洩だ。しかし巨大企業エクソンは補償負担に耐えた。
現在同じような原油漏洩事故が発生している。メキシコ湾におけるBPの海底油田の爆発漏洩だ。「すでにバルディーズ号の8倍の原油が漏洩し、今も漏洩中」と報道されている。
今後発生が予想される巨額の賠償金にBPがどの程度、補償負担に耐えられるだろうか。大手格付け会社の「フィッチ」は15日、BPの格付けを、現在の「AA」から「BBB」に一気に6段階引き下げたと報じられた(日経2010/06/16)。

ISO14001の大きな発行目的のひとつは、かかる企業の運命を左右する大事故を防止することにある。株主利益保護の為だった。
ところがISO14001がわが国へ導入された際、多くの企業は「紙・ゴミ・電気」に取組んだ。これは事務所におけるコピー用紙の節減とゴミの分別、照明電気の消灯による電力節減などの些細な活動だ。これによって審査を受けてきた。そして多くの審査機関の審査員も「この取組みだけでよい」と容認してきた。

ISO14001規格は、マネジメントシステム規格である。そこでは「PDCAサイクル」、即ち「Plan」⇒「Do」⇒「Check」⇒「Act」の繰り返しが求められる。目指すところは環境汚染の防止だ。これを「継続的改善」という。
PDCAサイクルの出発点は、条項4.3.1「環境側面」である。この中の(b)項がいう「環境汚染を与えかねない潜在的原因を発見すること」と、条項4.4.7「緊急事態への準備及び対応」がいう「最悪の事態を想定見して、それが起こった際の対策を考えておくこと」が、正にリスクマネジメントの枠組みだ。にも拘わらず、多くの導入企業においてはこれがリスクマネジメントに活用されていない。

―― ISO14001規格の序文に「自己宣言に利用できる規格」と明記されているが、多くの企業は審査を受ける。審査を受けることが唯一のISO14001への取組みであると理解している。そして審査を受けて「システム審査」を受ける。
システム審査においては、システムのパフォーマンス(成果)は問われない。枠組みができていれば「合格」とする。そして企業は合格点をとることによって満足する。「我が社はISO14001適合企業である」と胸を張る。どんな活動をやって環境汚染防止の継続的改善を行っているかは、外からはうかがい知れない。

―― だからISO31000リスクマネジメント規格が、今後「指針」から「要求事項」へ格上げされて審査/監査が始まると、ISO14001の「紙・ゴミ・電気」と同様な取組みが始まるかも知れない。しかし「自己宣言」ならば、そのような心配はない。
繰り返す。環境ISOのISO14001規格には「自己宣言に利用できる」と明記されているのだ。ダメ押しをしよう、品質ISOのISO9001の序文においても「この規格は内部(企業内だけのこと)と(外部(審査登録等のこと)の両方で利用できると明記されているのだ。
そのためであろう。米国においては、品質マネジメントシステム規格ISO9001の利用が進んでいるにもかかわらず、審査登録は進んでいない。正に自己宣言しているのだ。

―― ISO31000を利用してリスクマネジメントの実効を向上したいと思う企業は、「自己宣言」方式を利用することが得策だ。しかし簡単ではない。ISO31000自己宣言は専門家の支援を要する。
その専門家をプールした我が国最大の団体は、マネジメント協会(日本RIMS支部)である。プールされた有意の人材が、ISO31000の普及に活躍するであろう。
また一般のリスクマネジメントに通じた有意な人材がリスクマネジメント協会の正会員を目指すであろう。ISO9001/ISO14001審査員資格者(主任審査員、審査員、審査員補)もリスクマネジメントを勉強して正会員を目指すかもしれない。

自己宣言はこの一連のリポートの柱であり、次回以降において詳しく説明する。次回は、「このISOマネジメント自己宣言のポイントは企業リスクの発見力」をリポートする。

http://www.tanabe-consul.jp

★リスクマネジメント協会 いよいよスタート!!リスク検定公式サイト
https://www.arm-tris.jp/index.html

★リスクマネジメント協会 リスクアセスメントプログラムのご案内
http://www.arm.gr.jp/info/risk_Assessment.html

リスクマネジメント協会認定研修機関
ビジネスエデュケーションセンター株式会社RM推進事業本部
本社 〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-4-11

関連URL:http://www.becer.jp/

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