ベック株式会社


田邉康雄のリスクマネジメントリポートNo.3
おかげさまで連載シリーズ大ヒット!!
ISO31000の活用法(2)―― このISOマネジメント自己宣言のポイントは企業リスクの発見力



ビジネスエデュケーションセンターがリスクマネジメント協会正会員の田邉康雄先生にご執筆いただいている「連載リスクマネジメントリポート」が企業経営者やCROに高い評価をいただいており、毎回たくさんの閲覧をいただいております。
今回は第3弾といたしまして、「ISO31000の活用法(2)―― このISOマネジメント自己宣言のポイントは企業リスクの発見力」を掲載いたします。田邉先生はコンサルティング業務をメインに活躍されています。ご希望の方は田邉先生の公式サイトをご覧ください!!
http://www.tanabe-consul.jp


田邉康雄のリスクマネジメントリポートNo.3 
ISO31000(リスクマネジメント国際規格)
ISO31000の活用法(2)―― このISOマネジメント自己宣言のポイントは企業リスクの発見力

<筆者プロフィール>
リスクマネジメント協会正会員(PRM)田邉康雄
英国IRCA契約OHSAS18001審査員養成トレーニングコース認定審査員
英国IRCA登録ISO9001/14001/OHSAS18001 Lead Auditor
米国/オーストラリア/ニュージランドRABQSA登録OHSAS18001 Lead Auditor
APECエンジニア、技術士(化)、中小企業診断士、労働安全コンサルタント、環境カウンセラー(事業)、通訳案内士
有限会社田辺コンサルタント・グループ社長
会社事業:技術者研修、生涯現役エンジニア塾、リスクマネジメントコンサルティング、安全コンサルティング、ISOコンサルティング、ISO割引損害保険の販売
URL: http://www.tanabe-consul.jp(トップ頁)
http://www.tanabe-consul.jp/company/img/hoken.pdf(損害保険代理店の頁)

<リスクマネジメントリポートNo.3>
最近石破元防衛大臣がテレビ会談で居並ぶ論客達に言われた。曰く「安全保障とは、最悪の事態を想定してひとつひとつ答えを出すことだ。最悪の事態を考えていなかったら、最悪の事態が発生してしまう」と。さすがは日本の安全のことを真剣に考える人のお言葉は違う。
おっしゃるように、最悪の事態を想定することがリスクマネジメントの出発点だ。「最悪事態の想定」とは「リスクの特定」であり、分り易く表現すると「リスクの発見」である。

―― ところがわが国においては「最悪事態」を想定する習慣が一般化していない。前述した防衛問題を例に取ろう。あるAという国が攻め込んできたケースを想定して訓練を実施すると、「A国を敵と見做すのか」という不毛の議論を呼ぶ。

企業における爆発火災事故の例をとろう。「このプラントの、この箇所が破損して大災害が発生し、従業員だけでなくて周辺住民に多数の死者がでる」という最悪の事態を想定しないのだ。

―― 「最悪ケース」を想定することは一般的でない。
なぜか? その理由を考えて見よう。
「そんなおそろしいことは、想像したくない」という考え方がひとつ。あるいは「分かっているけど、それが発生しないことを神様仏様に祈って毎日を過ごしている。
あるいは「起こったら起こった時に考える」という考え方もある。江戸時代から「明日は明日の風が吹く」は国民性であった。しかし―― 。

―― 自分ではリスクに気がつかない。
これが最大の理由だろう。最近続発する化学工場爆発火災の原因はこれだろう。リスクの増大に気がついていない。
リスク認識は「理論」ではない。人が肌で感じるものだ。ISO31000でも「リスクパーセプション」として強調されている。安全技術の伝承ができていないから「感じる人」は少なくなってきたのだ。今後ますます化学工場の災害増加が懸念される。

「昔からやっている」
 という台詞も危ない。昔からやっているから違法性に気がつかないのだ。
 これは大企業に多い「社内慣行」である。「井の中の蛙、大海を知らず」とはよく言ったものだ。大企業といえども「井戸」であり、その井戸が少し大きいだけだ。しかし長年住んでいると、それが大海であると錯覚を起こす。大海のルールを実行していると錯覚する。それに加えて ――。

「この位なら許されるだろう」
と、安易な気持ちで始めたが、大勢でやっていて何の問題も発生しないからだんだんエスカレートする。再生紙偽装、再生樹脂偽装、エコ家電製品偽装などはその典型だろう。今話題になっている相撲協会の野球賭博は正にこれだ。企業にとっては大きなリスクである。

「隠したい」
という深層心理もある。「臭いものには蓋をしろ」はわが国大衆の伝統だ。
品質ISO9001/環境ISO14001/安全OHSAS18001は、元来リスクマネジメントの国際規格である。だから審査/監査において企業リスクを発見すれば喜ばれる筈である。
ところが逆に嫌がられる。発見したリスクは「事務局止まり」となる例がとても多い。即ち握り潰されるのだ。とりわけ安全リスクにこの例が多い。

「頼むから正式に報告しないでくれ」
と、懇願される。リポートNo.1で事例を紹介した。これが我が国のリスクマネジメントの実態だ。

―― 発見したリスクを「報告したくない」という深層心理は、そのまま企業不祥事につながる。すなわち報告しなかったリスクが現実の危害(ハーム)となった場合、あるい「報告しなかった」事実が明るみにでた場合、いずれも社長がテレビカメラの前で頭を下げる。
頭を下げた瞬間に企業業績の低迷が始まる。だからリスクを「報告しない」こと自体が大きな企業リスクだ。このことに気がついていない企業が甚だ多い。
冒頭に述べた「リスク発見」とは、ここまで突っ込んだリスクの発見である。そのためには「力量」を要する。即ち最悪の事態(業績低迷による倒産)を想定する力量が必要である。

―― ISO31000「自己宣言」のポイント
は、企業内におけるリスク「発見力」であり、発見したリスクを「報告する」ことである。ISO31000の審査/監査を受けると、せっかく発見した大きなリスクが報告されないが、「自己宣言」すると発見したリスクは必ず報告される。

「リスク発見」は、社内の人材だけではやれない。なぜなら前述の通り自分では分らないのだ。またいわゆる「要領」が分らないのだ。これが分らないと無駄な取組みをする。だからは外部の専門家の「リスク発見力」を借りることが不可欠である。

―― リスクマネジメント協会
http://www.arm.gr.jp/
「リスク発見力」を有する外部専門家をプールした国内最大の団体は、リスクマネジメント協会(日本RIMS支部)である。
ISOマネジメントシステム(ISOMS)の専門家、並びに労働安全衛生マネジメントシステム(OH&SMS)審査/監査の専門家田邉康雄は、ISO31000の普及を目指して6月1日付で「リスクマネジメント協会正会員となった。
今後「リスク発見力」の高い多くの会員とともに「最悪の事態」を想定し、発見したリスクを評価し、リスクを分類し、それぞれのリスクの対応策を定めてPDCA、即ち「Plan」⇒「Do」⇒「Check」⇒「Act」を回す指導をしたいと考えている。
(完)
http://www.tanabe-consul.jp

※次回は、「形骸化したISOマネジメントシステム内部監査の二の轍を踏まない」をリポートする予定です。
なお、このリポートのNo.1とNo.2も御覧になることを推奨いたします。
No.1 http://www.news2u.net/releases/69324
No.2 http://m.news2u.net/releases/70578


リスクマネジメント協会/日本RIMS支部認定研修機関
ビジネスエデュケーションセンター株式会社RM推進事業部
東京都新宿区西新宿1-4-11

関連URL:http://www.becer.jp/

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