株式会社構造計画研究所

構造計画研究所 津波・洪水対策用“避難シミュレーション”をビジネス展開

(2005年08月24日 12時30分)

 株式会社 構造計画研究所(本社:東京都中野区、資本金10億1,020万円、代表取締役:服部正太、以下:構造計画研究所)は、昨年度から好調が続く防災ソリューションの新たな展開として、津波・洪水時における避難シミュレーションを用いた避難計画支援業務を開始いたしました。当社の開発した避難シミュレーションは、モデルマップ上で浸水状況を再現させながら、人間の行動ルールを反映した避難状況を動的に表示させることができるため、より効果の高いハザードマップの作成などに役立てることができます。これまでは、シミュレーションモデルを作成するために大きな費用が必要でしたが、2年間に及ぶ研究開発を経て、大幅なコストダウンにも成功いたしました。こうした成果を受けて、今年度より自治体を中心にした営業活動を展開していくことをお知らせいたします。

●危険が高まる津波被害・洪水被害
 昨年国内では台風による洪水被害が頻発し、海外においてもスマトラ沖地震津波では約20万人以上の死者行方不明者が出ました。内閣府の中央防災会議で調査・研究がすすんでいる東海・東南海・南海地震においても、地震と共に大津波の襲来が予測されています。こうした危機的な状況を受けて、危険地域とされる自治体では津波または洪水に対するハザードマップ作成が義務付けられ、効果的な避難計画の作成が求められております。

●避難シミュレーションの目的・効果
突発的に起こる地震被害とは異なり、時間的に猶予がある津波や洪水による被害は、適切な避難計画を策定することで人的被害を最小限に抑えることが可能です。そのため、様々な仮定による浸水の予測結果と避難行動を反映したハザードマップの作成が重要となります。しかしながら従来のハザードマップでは、適切な避難所が設定されているか、また避難所にいたるまでの経路がきちんと確保されているかといったことが検証できていないという問題点がありました。そこで当社は、独自開発したマルチエージェント・シミュレータ『KK-MAS』による住民の避難状況シミュレーションと、浸水シミュレーション結果を重ね合わせることで、より現実に近い災害時の様子を再現しました。各住民は事前に設定された動きではなく、自らの価値基準や周囲の状況を判断することで行動するよう設定されており、その結果全体としてどのような動きになるのかを動的に把握することができるので、住民が避難に要する時間の算出や、避難計画の問題点発見と改善に大きな効果を発揮します。更に、こうした動きのあるシミュレーションは、避難所までの経路や避難開始時期をわかりやすく伝えることができるため、住民全体の防災意識向上にも有効です。

●コストダウンとシミュレーション精度の進展
 一般的に、シミュレーションを使った避難計画支援を行う際、最も工期とコストが掛かるのが、実際の地理データの設定部分でした。そこで当社は、航空機による地表のレーザー計測データを、CADデータに反映させることによって、地理データを半自動的に作成する技術の開発に成功しました。これにより、地理データ設定部分の工期とコストを大幅に圧縮することができるようになりました。また、マルチエージェントと複雑系のアイデアを利用した『KK-MAS』は、各住民に様々な行動ルールを設定し、個人がお互い影響を与え合う結果生まれる全体的な動きをシミュレーションすることができます。そのため、災害認知までに掛かる時間差や、要援護者の逃げ遅れ、避難経路の混雑具合などを考慮した、単なる最短経路探索などに留まらない現実的なシミュレーションを行うことが可能です。

当社は、防災ソリューションの積極展開を図ってきた成果として、地震防災ビジネスにおける売上が前年度比10%増の19億円規模に拡大するペースで推移しており、この避難シミュレーションの分野におきましても、需要の拡大を見込んでおります。

※レーザー計測データの利用
レーザー計測データから建物エリアを自動識別し、そのエリアだけを切り抜いた有限要素メッシュデータを自動作成させる技術を開発しました。これにより、データ入力作業を低減できただけでなく、有限要素法を適用することで、一般的な氾濫解析に利用されている差分法などよりも精度の高い形状適用性を持たせることができるようになりました。
※マルチエージェント・シミュレータ KK-MAS
「KK-MAS」は、個々のエージェント(行動主体)が自らの意思決定ルールに基づいて行動し、そのエージェント同士の相互作用が連鎖することにより系全体の振舞いが変化し、また全体の振る舞いから個々のエージェントの行動に影響を与えるという複雑系とマルチエージェントのアプローチに基づいた社会シミュレータです。2000年3月のリリースからユーザフレンドリーなマルチエージェント・シミュレータとして社会科学系の研究者をメイン・ターゲットに、159の大学研究機関でご利用いただいております。(http://www.kke.co.jp/mas/

<本件に関するお問い合わせ先>
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 TEL:03-5342-1006/FAX:03-5342-1222/e-mail:kikaku@kke.co.jp

■本リリースに関する報道関係からのお問い合わせは、下記にお願いします。
 株式会社構造計画研究所
 〒164-0012 東京都中野区本町4-38-13
 営業戦略部 広報担当 佐藤 仁宣/松本 飛鳥
 TEL:03-5342-1032/FAX:03-5342-1222/e-mail:kkeinfo@kke.co.jp

■構造計画研究所について
1959年設立。現在ネットワーク、マルチメディア、情報通信、移動体通信分野から建設、製造分野に至るまでの広範かつ最新のIT技術を駆使したソフトウェア開発ならびにソフトウェアプロダクトを提供。さらにOR・シミュレーション手法を用いた工学・製造分野におけるコンサルティングサービスやマーケティング分野におけるコンサルティングサービスも行っています。また建設・環境分野における数値解析コンサルティングサービスや建築・構造設計分野でも強みを発揮しており、様々な業界に対し、多様なソリューションを提供しております。

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